中小企業診断士試験対策受験校として最大手にして、1次・2次の両方をカバーする受験校「TAC」について、説明会や受講した友人に聞いた話とWebサイトで収集した情報を基に、
2次試験対策の視点から、客観的に情報を整理してみたいと思います。
特徴
TACの特徴は、やはりその規模です。そして、その規模を活かしたシステムを持っています。
- 大手ならではの充実したサポート・フォローシステム
通学講座の場合、都合が悪くて参加できない日程の講義を別のクラスや別の校舎に振り替えて受講できる「振替受講制度」や、一度受講した講義でも理解しづらかった場合などに同じ講義を別のクラスまたは校舎でももう一回受講できる「重複受講制度」などがあります。
通信講座の場合でも、回数に限度はあるものの教室講座への参加や、講師との受講相談なども可能で、「受講生交流会」でネットワークを広げたりすることができます。
さらに、どちらの講座であっても、音声講義ファイルがダウンロードできる「音声フォロー」や独自のインターネットフォローシステムによって質問やFAQの参照、最新情報の掲載される掲示板の閲覧、さらには自習室の利用が可能です。さらに有料(20,000円)ですが、「Webフォロー」システムで講義動画の閲覧というオプションもあります。
全国35か所に教室があり受講生数も最大のマンモス校ならではのフォローシステムで、忙しい人でも受講していけるように工夫されていると言えるでしょう。
コース
パターンごとの違い
まず通学講座と通信講座については、カリキュラム的な違いはありません。価格も同じです。
次に、コースの種類ですが、2次のみをターゲットとした講座は基本形としては「2次本科」と「2次演習本科」の2種類です。両者の違いは、インプットの中の「2次対策知識の講義」と5~7月の「事例演習」が「2次演習本科」の方には含まれていないことです。
なお、5~7月の「事例演習」のみや8~9月の「直前演習」のみといった単科講座も選択は可能ですが、各受験校の通期の2次試験対策コースを取り上げて紹介し、比較しやすくするという本記事の趣旨に沿わないためここでは省略します。
本科 :インプット・演習・模試(4月)・事例演習(5-7月)・直前演習(8-9月)・模試(9月)
演習本科:インプット・演習・模試(4月)・ ・直前演習(8-9月)・模試(9月)
事例の演習量としては、「2次本科」は、2回の模擬試験を含めて、オリジナル事例でⅠ~Ⅳを9回分演習できます。「2次演習本科」では、同じく2回の模擬試験を含め、オリジナル事例でⅠ~Ⅳを6回分演習できます。
※ 「80分の本試験相当の事例問題を解き、添削を受けること」を「演習」と呼んでいます。
1次とのストレート合格を狙う「1・2次ストレート本科」では、1次試験が終わってから2次の対策が始まるため演習量は少なく、模試1回を含めてオリジナル事例でⅠ~Ⅳを4回分の演習になります。このコースの5~7月に、2次試験対策を並行して学習するカリキュラムとして2次の演習(オリジナル事例演習Ⅰ~Ⅳが2回、過去問演習Ⅰ~Ⅳが1回)を追加した「1・2次ストレート本科PLUS」というコースもあり、こちらでは事例Ⅰ~Ⅳが7回分演習できます。
費用
以上を踏まえ、各コースの料金です。上述の通り、通学・通信(Web)は同じ価格です。
ただし、DVD通信だと下記から2~3万円高くなります(メディア代?)。
- 2次本科 : 212,000円 ※ 前年度TAC生は4~5万円割引
- 2次演習本科 : 120,000円 ※ 前年度TAC生は1.5~2.5万円割引
- 1・2次ストレート本科PLUS: 318,000円 ※ 再受講生は8万円割引
- 1・2次ストレート本科 : 285,000円 ※ 再受講生は7万円割引
教室
通学の場合、講義は全国各地のTACの講座設置校で行われます。
その他
合格率
厚生労働省の教育訓練給付金制度の登録データ(※)によると、2次本科の方で20%強でした。 2次向けコースとしては、かなり低い値です。
※ 「中小企業診断士」にチェックを入れて検索 → 「TAC/Wセミナー」を選択
合格率(平成27年) | 合格率(平成26年) | 合格率(平成25年) | |
2次本科(通学) | No Data | 23.2% | 22.8% |
2次本科(通信) | No Data | 21.7% | 20.3% |
1・2次ストレート本科(通学) | 13.0% | 10.5% | 10.3% |
1・2次ストレート本科(通信) | No Data | 9.3% | 9.8% |
教育訓練給付金対象講座
一般教育訓練給付金の対象講座です。条件を満たした場合、講座費用の20%が受給できます。
新規入会紹介者制度
TACの中小企業診断士講座の本科を取っていた人から紹介を受けて、対象講座に申し込むと紹介者・申込者の両方が図書カードをもらえる「新規入会紹介者制度」があります。
合格後サポート
TACの中小企業診断士講座の講師になる場合、TAC出身者が優先されるという噂があります。真偽のほどは分かりませんが、そのように言っている人もいます。
興味を持ったら…
「TACの中小企業診断士動画サイト」で、講座説明会をはじめ、各種セミナーの動画が閲覧できます。
また、「2次試験解答速報」では、最新の過去問の全体講評と模範解答が参照できます。