私が1次試験の学習テキストを使って勉強していて、たまに感じていた不満が、「説明がまどろっこしいんだけど!?一言で言うとどういうこと!?」ということでした。覚えようとしても、長い説明を読んでいると、頭に入ってこないんですよね。
そこで今回は、特に慣れないとなかなか頭に入ってこない「経営情報システム」の知識の中で、ややこしい難解キーワードについて、シンプルに覚えられるように、私が試験当日に持って行ったノートから転載したいと思います。
知識の定着や、試験当日に持っていく最終確認ノートの作成にお役立てください!
ハードウェア
半導体メモリ
マスクROM
:製造時に書き込まれ、書き換えられることのないROM。
EPROM(Erasable Programable ROM)
:データ・プログラムの消去・再書込可能なROM。
ECCメモリ(Error Checking & Correcting メモリ)
:誤り自動検知・訂正を行うRAM。
高速化技術
メモリインタリーブ
:メモリを複数の範囲(バンク)に分けて、同時並行に読み取る仕組み。
CISC(Complex Instruction Set Computer)
:アセンブラ言語(高級言語)で複雑な処理を実行する。
RISC(Reduced Instruction Set Computer)
:ワイアードロジックで単純な命令を組み合わせてパイプライン処理する。
入出力装置
RS-232C
:コンピュータと、プリンタ/モデムの接続に使用。
SCSI
:コンピュータとHDDなど周辺機器の接続に使用。高価で汎用的。
IDE
:コンピュータとHDDなど周辺機器の接続に使用。安価で低機能。Parallel ATAとも言う。
情報システムの形態と関連技術
集中処理と分散処理
クラスタリング
:複数のPCを相互接続し、全体で1台のように振舞わせる。
グリッドコンピューティング
:散在するPCを統一的に扱わせる仕組み。
ユーティリティコンピューティング
:コンピューティング資源を必要な分だけ使い、使用分が課金される仕組み。
クラウドコンピューティング
Saas(Software as a Service)
:クラウド上で使用する、ソフトウェア。
Paas(Platform as a Service)
:クラウド上で使用する、OS・ハードウェア・実行環境等。
Saas(Infrastructure as a Service)
:クラウド上で使用する、ストレージ・ネットワーク等。
Daas(Desktop as a Service)
:クラウド上で使用する、クライアントPC環境。
ファイルとデータベース
RDBの正規化
第1正規化
:繰返し(行内複数レコード)の個別レコードへの分解。
第2正規化
:データを主キーによって分割。複合キーの場合、構成するキー項目別のテーブルまで作成。
第3正規化
:主キー以外で、別テーブルに切り出せるテーブルを分割。
インターネット
Webアプリケーション
Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)
:Webページ再読み込みを伴わない対話型XMLアプリケーション。
DHTML(Dynamic HTML)
:JavaScriptやVBScriptを埋め込んだ対話型Webページ。
DOM(Dynamic Object Model)
:Webページ上でカーソル位置に反応してアクションを起こすAPI。
SSI(Server Side Include)
:Webページ上のコマンドをサーバで実行し、結果をページに表示する仕組み。
SVG(Scalable Vector Graphic)
:図形・画像のイメージデータをXMLベース言語で記述する仕組み。
Webサービス
UDDI(Universal Description, Discovery, and Integration)
:XMLを利用したWebのディレクトリサービス。
WSDL(Web Services Description Langage)
:Webサービスを読みだすAPI記述のXMLベース言語。
SOAP(Simple Object Access Protocol)
:サーバ間でのサービス呼び出し等のXMLベースのプロトコル。
言語
SGML(Standard Generalized Markup Language)
:文書の構造やデータの意味を記述する言語。
SMIL(Synchronized Multimedia Integration Language)
:マルチメディアデータの同期再生するXMLベース言語。
SAML(Security Assertion Markup Language)
:異なるドメイン間のユーザ認証のXMLベース言語。
電子メールの要素技術
IMAP(Internet Message Access Protocol)
:メールサーバとメールクライアントの間のプロトコル。
MIME(Multipurpose Internet Mail Extension)
:日本語の取り扱いやバイナリファイル添付を可能にする仕組み。S/MIMEは公開鍵暗号版。
情報システムの開発
プロジェクトマネジメントにおける見積もり・工数管理手法
COCOMO(COnstructive COst MOdel)
:工数など目的変数として、規模・要因などを説明変数にして数学的関数で見積もりする。
EVMS(Earned Value Management System)
:予定期間・コストに対して、定量的に測定した出来高でスケジュール・コストを管理する。
CoBRA(Cost estimation, Bench marking, and Risk Assessment)
:FP法などによる定量データと、過去の知見から、変動要因と影響度を測定して見積もる。
情報システムの運用管理
暗号化技術
秘密鍵(共通鍵)暗号化方式
:秘密鍵を事前に安全な経路で共有し、共有された秘密鍵で暗号化・復号化。処理が高速。
公開鍵暗号化方式
:公開された公開鍵で暗号化し、使用された公開鍵の対となる秘密鍵で復号化。配布が容易。
ハイブリッド方式
:公開鍵方式で共通鍵を共有し、共通鍵方式でやり取りする。配布容易性+処理高速性。
デジタル署名
:文書の作成者と、改ざんがないことを証明する。
統計解析
離散型確率分布
二項分布
:コインの裏表など、二項的な現象をn回繰り返した時の、現象の数を表す確率分布。
ポワソン分布
:不良品の発生率など、一方の確立が少ない二つの現象で用いる確率分布。
幾何分布
:ランダムで抽出した中で対象の特性を持つ標本が得られるまでの試行回数を表す確率分布。
:例「ネトゲのガチャで、特定のカテゴリに属すカードが、何回やれば出るか」
超幾何分布
:ある個数の標本をときの対象の特性を持つ標本の個数を表す確率分布。
:例「ネトゲのガチャを特定回数やる場合、特定のカテゴリに属すカードが、何枚出るか」
ベルヌーイ分布
:事象が発生する確率をP、しない確立を(1-P)とした時の確率分布。
:例「株価の上昇・非上昇の確率」
連続型確率分布
正規分布
:平均値を頂点として、左右に末広がりに広がる分布。
指数分布
:ランダムな事象の発生間隔など、指数関数に従って減少する確率分布。
カイ2乗分布
:2つの母集団の間の関連度合、ズレ度合。
連続型確率分布
正規分布
:平均値を頂点として、左右に末広がりに広がる分布。
指数分布
:ランダムな事象の発生間隔など、指数関数に従って減少する確率分布。
カイ2乗分布
:2つの母集団の間の関連度合、ズレ度合。
パラメトリック検定
t検定
:2つの母集団において、両側の分散が等しいかどうかの検定。
:t検定(両側)…データ間に違いがあるか、ないか、のみ検証。
:t検定(片側)…データ間の違いの程度(有意差があるかどうか)まで検証。
ウェルチ検定
:2つの母集団において、明らかに分散が異なる場合の母平均に関する検定。
z検定
:標本の平均と母集団の平均が統計的に有意に異なるかどうかの検定。
:有意水準が5%のとき、z値が1.96より大きい場合は棄却する。
F検定
:2群の母集団の分散が同じかどうかの検定。
:同じとき、t検定へ進む。異なるとき、ウェルチ検定へ進む。
ノンパラメトリック検定
カイ2乗検定
:カイ2乗検定(適合度検定)…度数データが特定の分布からどれくらい離れているかの検定。
:カイ2乗検定(独立性検定)…異なる要因が互いに影響しあっているかの検定。
推定
点推定
:未知の母集団を、一つの値で推定。
区間推定
:未知の母集団の存在しうる範囲、あるいは母集団が同じである確率の推定を推定。
まとめ
なかなか一言にまとめるのも難しかったりするのですが、このくらいシンプルになっていると頭に入りやすいと思います。キーワード暗記の際には、「一言で説明する」というのも有効だと思いますので、ノート作成の際には、そういった練習をしてみてはいかがでしょうか。
なお、余談ですが、経営情報システムでは、「Ajax」のような英語の略で作られた言葉は、元となるフルの英語と併せて覚えておくといいです。仮に忘れてしまった時でも、設問文の内容に「JavaScript」や「XML」の言葉があれば、そこから思い出したり、記載内容から選択肢の妥当性の判断ができたりします。