中小企業診断士1次試験対策のオススメ教材と使い方

中小企業診断士1次試験の学習戦略」の記事では、1次試験受験時にどのような状態になっていればよいか、またそこに達するために必要な学習時間、学習の進め方のポイントについて説明しました。今回は、学習で使う教材について説明します。

ズバリ、どの教材が良いか?

やることをやりさえすれば何を使っても合格するので、言ってしまえば、どこでも良いのですが(笑)、私は、TBC(早稲田出版)の教材をオススメします。私はそれしかやりませんでした。

私の場合は、5月に学習を開始したので、普通の通学講座や通信講座を取るには遅すぎた、という止むに止まれぬ理由があってTBCを選択したというのもあるのですが、結果的に最善の選択だったと思っています。

メリットは以下の通りです。

  • 講義がYoutubeで無料で受けられる
  • テキストと問題集がセットになっていて、別々に買うものより安い

コスト面だけのメリットのように書いてしまいましたが、授業の質・内容も非常に良いです。5年くらい前にTBCの通信講座を受講した人に聞きましたが、講義の長さとしてもクオリティとしても完全に同じレベルの授業だったそうです。「今はタダで受けられるのかぁ…」と言っていました。

ただし「中小企業経営・中小企業政策」は暗記科目だからということで問題集のみとなっています。「中小企業白書」と「中小企業施策」で分かれた2冊構成になっていて、いずれも前半が穴埋めで後半に実践に近い問題が載っている形式です。「中小企業施策」の方はそれでいいのですが、「中小企業白書」の方は、実際の試験では「グラフがどういう形状で、どのような特徴があるか」が問われます。とてもグラフを見ずに覚えられるものではないので、最初の数ページにあるまとめのテキスト部分と前半部分でグラフがない(※)のは非常に使いづらかったです。
※2016年版の話です。その後、改善されたかどうかは確認していません。

変わっていなければ、「中小企業白書」対策については、他の問題集を使うなど何かしら考えた方がいいです。私は、冊子を見ながら扱われているグラフがどれかを書き出し、中小企業白書・小規模企業白書のPDFをダウンロードして対象箇所を印刷し、両方開きながら勉強しました。時間がない中、グラフの番号を書き出したり、該当のものを印刷したり、非常に面倒でした。講義は非常に良かったですし、講義で扱っていたところがかなり試験で出ていたので、本は買わずとも講義動画の方は見た方が良い、というのは何とも惜しいところなのですが。。。

2018年版はこちらです。

教材をどう使うか?

教材は、大きく分けて以下4種類あります。

  1. 講義動画
  2. テキスト
  3. 穴埋め式問題集
  4. 過去問題集
学習順序

私は、章ごとにこれらを1周するのがよいと思います。1章分の講義を見て、該当部分のテキストを熟読し、穴埋め問題集を解き、過去問題集を解く。これを、章ごとにやっていくのがよかったです。

最初に勉強した経済学・経済政策で、講義動画を全章分見て、テキストを全章分読んで、穴埋め問題集と過去問題集に挑みましたが、まったく解けなかったんです。苦手科目だったというのもあると思いますが、人間の記憶メカニズム上、問題集に挑む頃には最初の方はもう忘れてしまっているものなんですね。なので、章ごとに記憶が新鮮なうちに問題を解くことで記憶の定着を促すのが正解なのです。2回目の勉強ではそこを改善するとスムーズに進むようになり、2科目目以降も同様にスムーズに進められました。

講義動画の使い方

これは強くオススメしたいのですが、講義動画は倍速で見ましょう。自分の集中力も高まって学習効果も上がりますし、何より時間の節約になります。聞きながらノートを取ったりする必要はありません。「テキストに下線を引け」という部分だけ対応しながら、とりあえず講義を集中して聞いて、まず理解するのです。

そして、講義を受けたらすぐにテキストを熟読する。ノートを取るなら、この段階です。読んでいくと、講義で言っていた内容が次々と思い出されてくると思います。その中で、テキストに載っていないことで重要だと思うこと、それだけをノートにメモしましょう。思い出せない重要事項があった記憶があれば、超部分的に見返してメモすればいいです。

動画の倍速設定については、「自分が心地よいスピードよりちょっと速い」のを目安としましょう。緊張感が高まって集中力も上がるためです。ちなみに私は、山口先生は1.5倍速、他の先生は2倍速で見ました。山口先生は若干早口なのか、熱くなってくると2倍速ではちょっときつかったんですよね…。

なお、本では「テキストを読んで、講義を受けて…」という順序が推奨されていますが、私は、知らない分野でいきなりテキストを読んで頭に入る気がしなかったので、講義を先にしました。自分に合う順序を選んで進めればいいかと思います。

この学習法を始めてから、マークシート形式の試験のような「覚える」ことが中心となる試験の対策としては、ライブ講義は「遅すぎ」て受けつけなくなった…、という弊害(?)はありましたが、オススメしたい学習法です。

まとめ

TBCの教材のメリットとして「講義がYoutubeで無料で受けられる」と挙げましたが、実は、ここにはもう一つポイントがあります。「Youtubeで、容易に倍速再生ができること」です。通信講座のDVDを倍速再生する場合、再生機器によって音声の品質が変わってしまいます。PCでフリーソフトで再生する場合、ソフトによっては倍速再生すると音声がひどく劣化することもありますが、Youtubeならばインターネット回線さえ問題なければ何でアクセスしても安定的なクオリティで倍速講義が受けられるのです。

安易にどこかの講座に申し込む前に、ここで挙げた学習法も考えてみるとよいと思います!


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