中小企業診断士試験の合格を目指すにあたって受験校をどこにしようか、と考える際、やはり気になるのは「合格率」ではないでしょうか。今回は各受験校の合格率を算出してみたいと思います。
(本記事には更新版「中小企業診断士各受験校の合格率(2018年8月版)」があります)
利用するデータ
今回の合格率算出には、厚生労働省の教育訓練給付金制度の登録データを使います。
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このデータは、教育訓練給付金制度の対象講座しか含まれませんので、全体とは異なりますが、平成26年度は全国のTAC合計で2,566人が修了しており、案外、多くの受講生に利用されていることが分かります。1次試験受験者が約16,000人、TACの1次公開模擬試験の受験生が非TAC生も含んで約4,000人であることを考えると、十分有効なデータだと考えていいでしょう。
各受験校の各講座ともに、年度によってデータがあったりなかったりするので、今回の算出においては、受験校単位のデータを同じ尺度に共通化するため、また、受験校間での比較もしやすくするため、以下のように集計を行います。
- 登録されている平成25年~27年の3年分のデータを合計
- TACや大原など校舎によってデータが分かれている場合は、受験校単位に集計
- 講座は、1次対策・1次2次ストレート対策・2次対策の3種類に集計
- 通学講座と通信講座は区別せず、集計
- 本科・速修など期間が異なるものも区別せず、集計
なお、今回登録されていたのは以下受験校でした。
- LEC東京リーガルマインド
- TAC/Wセミナー
- TAC金沢校
- TAC岡山校
- TAC高松校
- 大原通信
- 大原通学
- 大原名古屋校
- 大原京都校
- 大原大阪校
- 大原梅田校
- クレアールアカデミー
- KECビジネススクール
- 新技術開発センター
講座種類別 集計結果
では、早速集計結果を見ていきましょう。まずは、講座種類で分けて集計した結果です。
1次対策講座の合格率
修了者 | 受験者 | 受験率 | 合格者 | 合格率 | ||
TAC | 1次対策 | 120人 | 99人 | 82.5% | 26人 | 26.3% |
LEC | 1次対策 | 13人 | 9人 | 69.2% | 3人 | 33.3% |
新技術開発センター | 1次対策 | 81人 | 62人 | 76.5% | 26人 | 41.9% |
余談ですが、私は、これまでいろいろ調べてきて結構知っている方だと思っていたのですが、3つ目の機関は初めて知りました…。しかも結構合格率が高いという…。
1次2次ストレート対策講座の合格率
修了者 | 受験者 | 受験率 | 合格者 | 合格率 | ||
TAC | 1次2次ストレート | 4,592人 | 3,474人 | 75.7% | 373人 | 10.7% |
大原 | 1次2次ストレート | 100人 | 95人 | 95.0% | 35人 | 36.8% |
クレアール | 1次2次ストレート | 204人 | 151人 | 74.0% | 26人 | 17.2% |
KEC | 1次2次ストレート | 13人 | 13人 | 100.0% | 6人 | 46.2% |
2次対策講座の合格率
修了者 | 受験者 | 受験率 | 合格者 | 合格率 | ||
TAC | 2次対策 | 1,218人 | 1,094人 | 89.8% | 245人 | 22.4% |
大原 | 2次対策 | 11人 | 11人 | 100.0% | 5人 | 45.5% |
KEC | 2次対策 | 22人 | 22人 | 100.0% | 9人 | 40.9% |
2次を含む講座に比べて、1次対策講座が全体的に合格率が高いですが、こちらは1次試験に合格したら合格とみなすためかと思われます。従って、1次を目標とする講座と、2次を目標とする講座に分けてグラフ化してみます。
受験校別・講座種類別 1次試験合格率グラフ
受験校別・講座種類別 2次試験合格率グラフ
受験校別 集計結果
次に、2次試験の合格率について、さらに講座種類を横断して受験校単位に集計してみます。
受験校別合格率
修了者 | 受験者 | 受験率 | 合格者 | 合格率 | |
TAC | 5,810人 | 4,568人 | 78.6% | 618人 | 13.5% |
大原 | 111人 | 106人 | 95.5% | 40人 | 37.7% |
クレアール | 204人 | 151人 | 74.0% | 26人 | 17.2% |
KEC | 35人 | 35人 | 100.0% | 15人 | 42.9% |
受験校別合格率のグラフ
予想していたよりも差が大きいですね。
なお、2016年12月の講座説明会で、MMCもAASも平成28年の合格率は30%台後半であったと聞いています。いずれも2次専門の受験校であり、受験経験者が再チャレンジを期して通うことがほとんどである講座です。大原・KECはそれらと同程度の合格率であることから、同様に受験経験者が多くを占めているということなのではないかと予想されます。